改葬許可証とは?取得方法や必要書類、申請の流れと注意点まで解説

お墓を引き継いで管理してきたものの、このまま続けていくのは難しいと感じている方もいるのではないでしょうか。墓じまいやお墓の引っ越しで必要になるのが「改葬許可証」ですが、初めて手続きをする方にとっては、どこに申請するのか、どんな書類が必要なのか戸惑うことも多いでしょう。この記事では、改葬許可証とは何か、必要なケースと不要なケースの見分け方、申請に必要な書類、取得までの流れ、申請時の注意点まで解説します。
改葬許可証とは?なぜ必要?

改葬許可証とは、改葬を行う際に必要な許可証のことです。改葬とは、現在のお墓から別のお墓や納骨堂に遺骨を移すことを指します。墓じまいをして新しい供養先に移す場合も、改葬にあたります。
墓地、埋葬等に関する法律で、遺骨を現在のお墓から移動させるには、市区町村長の許可が必要であることが定められています。許可を得ずに改葬を行うことはできません。改葬許可証は墓じまいやお墓の引っ越しを進めるうえで欠かせない書類です。
改葬許可証と似た名前の書類に埋葬許可証があります。こちらは亡くなった方を埋葬・火葬する際に必要となる書類です。一方、改葬許可証は、すでにお墓や納骨堂に納められている遺骨を別の場所へ移すときに必要な書類であり、使う場面は異なります。
出典:厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)」
改葬許可証が必要なケース・不要なケース

遺骨をどこからどこへ移すのかによって、改葬許可証が必要かどうかは変わります。続いては、改葬許可証が必要になるケースと不要なケースの違いを整理します。
改葬許可証が必要なケース
改葬許可証が必要なのは、現在お墓や納骨堂に納められている遺骨を、別の墓地や納骨堂へ移す場合です。墓じまいをして永代供養墓へ移す場合、今あるお墓から別の霊園へ引っ越す場合、納骨堂から別の墓地へ移す場合などが当てはまります。このようなケースでは、市区町村長の許可を受けなければ改葬できません。墓地や納骨堂の管理者も、改葬許可証を受理した後でなければ、埋蔵や収蔵を認められません認められないとされています。
申請書には改葬の理由や改葬先を記載し、現在のお墓や納骨堂の管理者が作成した埋蔵・収蔵の事実を証する書面を添付します。新しい納骨先が決まっていて、今ある場所から別の場所へ正式に遺骨を移すときは、改葬許可証が必要になると考えてよいでしょう。
改葬許可証が不要なケース
改葬許可証が不要なのは、「他の墳墓や納骨堂へ移す改葬」に当たらない場合です。代表的なものが分骨です。遺骨の一部を分けて別に納める場合は、改葬許可証ではなく、現在の墓地や納骨堂、または火葬場の管理者が交付する書類を提出するように定められ、改葬とは別の扱いです。手元供養や散骨についても、改葬許可証の要否を一律に判断できないため、現在のお墓がある市区町村や墓地管理者へ事前に確認しておくと安心です。
改葬許可証はどこに出す?
改葬許可証の申請先は、現在遺骨が埋葬されているお墓や納骨堂がある市区町村役場です。現在の自分の住所や、新しいお墓がある市区町村ではない点に注意しましょう。
なお、異なる市区町村に複数のお墓がある場合は、それぞれの市区町村に申請が必要です。担当窓口は市区町村によって異なります。市民課・生活環境課・環境衛生課などが担当していることが多いですが、事前に電話やホームページで確認しておくとスムーズです。
改葬許可証の申請に必要な書類

必要な書類は、市区町村によって細かな違いがありますが、一般的には「改葬許可申請書」「埋蔵証明書(埋葬証明書・収蔵証明書)」「受入証明書」を準備します。
改葬許可申請書
改葬許可申請書は、改葬の許可を市区町村に求めるための申請書類です。申請書は、現在のお墓や納骨堂がある市区町村の窓口で受け取れるほか、市区町村のホームページからダウンロードできる場合もあります。申請の際は、後述する「埋蔵証明書」「受入証明書」などを添えて提出します。申請手数料として、0円〜1,000円程度かかる市区町村もあります。
埋蔵証明書(埋葬証明書・収蔵証明書)
埋蔵証明書は、現在のお墓や納骨堂に遺骨が納められていることを証明する書類です。市区町村によっては、埋葬証明書や収蔵証明書などとも呼ばれます。一般的には、現在のお墓や納骨堂の管理者に発行してもらいます。市区町村や墓地により異なりますが、交付には300円〜1,500円程度の手数料がかかります。
受入証明書
受入証明書は、新しいお墓や納骨堂が遺骨を受け入れることを証明する書類です。基本的に発行手数料はかかりませんが、移転先の管理者に事前に確認しておくと安心です。市区町村によっては、改葬先の名称や住所がわかる契約書などで代用できる場合もあります。
必要書類は市区町村によって異なる場合があります。申請前に現在のお墓がある市区町村の窓口へ確認しておきましょう。
改葬許可申請書の書き方

改葬許可申請書は、現在のお墓がある市区町村役場で入手するか、ホームページからダウンロードします。市区町村により様式は異なりますが、記入する内容はおおむね共通です。不明な点がある場合は、申請先に確認しながら進めましょう。
故人の情報
埋葬されている故人の情報を記入します。
記入事項の例
氏名・性別・本籍・住所・死亡年月日 など
死亡年月日や埋葬・火葬に関する情報は、手元にある書類や記録を確認しながら記入しましょう。本籍や住所がわからない場合は、「不詳」と記入できることもあります。取り扱いは市区町村によって異なるため、事前に確認してください。
現在の埋葬先の情報
現在、故人が埋葬されているお墓や納骨堂の情報を記入します。
記入事項の例
墓地・納骨堂の所在地・名称、埋葬または火葬の場所と年月日 など
霊園名や寺院名は略さず、正式名称で記入しましょう。申請書の様式によっては、埋葬または火葬の場所や年月日の記入が必要になります。手元の書類だけでは判断しにくい場合は、現在のお墓や納骨堂の管理者や市区町村役場に確認しながら進めると安心です。
改葬先の情報と改葬理由
新しいお墓や納骨堂の情報と、改葬の理由を記入します。
記入事項の例
改葬先の所在地・名称、改葬の理由 など
改葬先の所在地や名称は、受入証明書や契約書をもとに正確に記入しましょう。改葬理由は「新規に墓地を購入したため」「墓地移転のため」など、簡潔に記載すれば問題ありません。
申請者の情報
申請者自身の情報を記入します。
記入事項の例
氏名・住所・連絡先・故人との続柄・墓地使用者との関係 など
続柄は「長男」「配偶者」など、故人との関係を正確に記載しましょう。申請者は通常、遺族または墓地使用者本人が行います。墓地使用者が申請する場合は、使用者との関係欄に「本人」と記入します。使用者以外の方が申請する場合は、使用者の承諾書の提出を求められることがあります。
改葬許可証を取得する流れ

ここからは、改葬許可証を取得する流れを5つのステップに分けて説明します。
1. 改葬先を決めて受入証明書をもらう
まず、新しいお墓や納骨堂などの改葬先を決めます。改葬許可申請では、改葬先が決まっていることを示す受入証明書が必要です。改葬先が決まったら、管理者に受入証明書の発行を依頼します。受入証明書の様式は市区町村や移転先によって異なる場合があるため、あらかじめ確認しておきましょう。
2. 現在のお墓の管理者から埋蔵証明書をもらう
続いて、現在のお墓や納骨堂の管理者に、遺骨が納められていることを証明する埋蔵証明書(または収蔵証明書)の発行を依頼します。発行には300円〜1,500円程度の手数料がかかる場合があります。お寺に依頼する場合は、改葬の意向をあらかじめ丁寧に伝えておきましょう。
3. 改葬許可申請書を入手して記入する
埋蔵証明書と受入証明書が揃ったら、改葬許可申請書を入手して記入します。申請書は、現在のお墓がある市区町村役場で受け取るか、ホームページからダウンロードして使用します。様式は市区町村によって異なるため、記入例を参照しながら進めましょう。不明な項目があれば、申請前に確認しておくと書き間違いや記入漏れを防げます。
4. 必要に応じて改葬承諾書を用意する
申請者がお墓の使用者でない場合、市区町村によっては使用者の改葬承諾書の提出を求められる場合があります。誰が申請者になるのか、墓地使用者は誰になっているのかを事前に確認し、必要に応じて承諾書を準備しましょう。
5. 市区町村へ申請する
必要書類がそろったら、現在のお墓や納骨堂がある市区町村へ改葬許可申請を行います。申請が受理されると、改葬許可証が交付されます。市区町村によっては、窓口申請のほか郵送に対応している場合もあります。即日発行できないこともあるため、余裕をもって進めましょう。
改葬許可証を申請する際の注意点

改葬許可申請をスムーズに進めるには、提出する申請書の枚数や提出期限を把握しておくことが大切です。また、手続きを進める前に親族と話し合い、十分な理解を得ておきましょう。ここでは、申請の際に押さえておきたい注意点を解説します。
改葬許可証は遺骨1柱につき1通必要
改葬許可証は、原則として遺骨1柱(1名分)につき1通必要です。1つのお墓に複数の遺骨が納められている場合は、人数分の申請書や許可証を用意します。お墓全体で1通あればと考えてしまうと、当日に書類が足りず、手続きが進められない可能性もあります。事前に、何柱分の申請が必要か確認しておきましょう。
改葬許可申請の前に受入証明書を用意する
改葬許可申請を行うには、新しいお墓や納骨堂が決まっていることを示す受入証明書が必要です。現在のお墓を片付けることだけを考えるのではなく、まずは次の納骨先を決め、必要な書類を取り寄せることから始めましょう。改葬先が決まっていないと申請自体が受理されないこともあります。早めに受入証明書を用意しておくことが大切です。
書類の提出期限を事前に確認する
改葬許可証そのものには法律上の有効期限はありませんが、新しい納骨先によっては「発行から3か月以内」など、独自の提出期限を設けている場合があります。また、受入証明書などの書類も、発行から時間がたちすぎると受理されないことがあります。取得した書類が使えなくなり、再発行の手間や費用がかからないよう、提出先のルールは事前に確認しておきましょう。
事前に親族に相談しておく
墓じまいや改葬は、親族それぞれの先祖への想いに関わる大切なことです。独断で進めてしまうと、後から「相談がなかった」「勝手に進めないでほしい」といった行き違いが生じる恐れがあります。 スムーズに改葬を進めるためにも、改葬の理由や今後の供養のあり方について、申請前に親族と丁寧に話し合い、理解を得ておくことが大切です。
改葬許可証を取得した後の流れ

改葬許可証を受け取った後は、今あるお墓から遺骨を取り出し、墓地を返還し、新しい納骨先へ納骨します。それぞれのポイントを解説します。
閉眼供養を行い、遺骨を取り出す
今あるお墓で閉眼供養を行い、遺骨を取り出します。閉眼供養とは、お墓に宿る故人の魂を抜く儀礼で、「魂抜き」とも呼ばれます。法律で定められた手続きではありませんが、菩提寺がある場合や寺院墓地では行うことが多く、日程やお布施についても事前に確認しておくと進めやすくなります。遺骨を取り出す際には、墓地管理者に改葬許可証を提示します。許可証は納骨時にも必要になるため、大切に保管しておきましょう。
お墓を解体・撤去して墓地を返還する
遺骨を取り出したら、お墓を解体・撤去し、更地にして墓地を返還します。撤去工事は石材店などに依頼するのが一般的です。区画の広さや立地によって費用や日数は変わるので、事前に見積もりを取っておくと安心です。管理者によっては工事方法や返還時の条件を定めていることもあります。あからかじめ確認しておきましょう。
新しいお墓や納骨堂へ納骨する
最後に、新しいお墓や納骨堂へ納骨します。納骨の際には改葬許可証の提出が必要です。墓石を建てるタイプのお墓では開眼供養を行うことがあります。開眼供養とは「魂入れ」とも呼ばれ、新しいお墓の墓石に魂を宿らせるための儀式です。納骨堂や永代供養墓では納骨法要を行うこともあります。供養の方法は移転先によって異なるため、納骨日程とあわせて事前に確認しておきましょう。
改葬許可証の流れを知り、家族の想いを大切にしながら進めましょう

改葬許可証は、今あるお墓や納骨堂から別の納骨先へ遺骨を移す際に必要な書類です。申請先は現在のお墓がある市区町村で、受入証明書・埋蔵証明書・改葬許可申請書をそろえて提出します。改葬は手続きであると同時に、親族それぞれの先祖への想いに関わる大切なことでもあります。書類の準備を進めながら、家族や親族とよく話し合い、無理のないペースで進めていきましょう。
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