墓じまいとは?費用相場と手続きの流れをわかりやすく解説

代々のお墓を守ってきたけれど、いつまで続けられるだろうかと感じたことはありませんか。墓じまいとは、今あるお墓を整理し、新しい供養先へ移すことです。この記事では、墓じまいの意味や費用の相場、手続きの流れ、よくあるトラブルと対策まで、初めて検討する方にもわかりやすく解説します。
墓じまいとは

墓じまいという言葉を耳にする機会が増えていますが、具体的に何をするのか、よくわからないという方もいるかもしれません。まずは、墓じまいの基本的な意味と、混同されやすい用語との違いを整理します。
墓じまいの意味
墓じまいとは、今あるお墓の墓石を撤去して更地に戻し、区画を寺院や霊園に返還したうえで、納められていた遺骨を新しい供養先に移すことです。お墓を片づけるだけではなく、その後の供養まで含めて考える必要があります。近年、家族のあり方の変化に伴い、墓じまいを検討する家庭が増えています。墓じまいは、今の家族の暮らしに合わせて供養の形を見直す選択肢のひとつです。
改葬・永代供養との違い
墓じまいと混同されやすい言葉に「改葬」や「永代供養」があります。
改葬とは、今あるお墓や納骨堂などに納められている遺骨を別の場所へ移すことです。一方、墓じまいは、今のお墓を撤去して更地に戻すところまで含みます。改葬は法律上の手続きが必要な行為です。墓じまいをする際には、原則として改葬の手続きも必要です。
永代供養とは、家族や子孫に代わって、寺院や霊園が遺骨の管理と供養を続けることです。承継者がいなくても供養が続く点が特徴で、樹木葬や室内納骨堂、一般墓など、さまざまなお墓の形式で採用されています。墓じまい後の新しい供養先として選ばれることが多い方法です。
墓じまいを検討する人が増えている理由

厚生労働省の衛生行政報告例によると、令和6年度の全国の改葬件数は176,105件。この数からも墓じまいや改葬を選ぶ人が増えていることが推察されます。ここでは、墓じまいを検討する人が増えている理由を見ていきます。
出典:政府統計の総合窓口「衛生行政報告例 / 令和6年度衛生行政報告例 統計表 年度報」
少子化・核家族化による継承者不足
現代では少子化や核家族化が進んだことで、先祖代々のお墓を継承する人がいない、いても仕事や家庭の事情で管理が難しい家庭が増えています。以前のように家族や親族でお墓を守ることが難しくなり、承継者がはっきりしないまま、将来に不安を抱えるケースも少なくありません。
「自分が元気なうちに整理しておきたい」「子どもに負担を残したくない」と考え、墓じまいを検討する方が増えています。
遠方にあるお墓の管理負担の増加
進学や就職を機に地元を離れて暮らす人が増えたことで、実家や故郷にあるお墓が遠方になったケースもあります。ご先祖を想う気持ちはあっても、法要やお墓参りのたびに足を運ぶことは、時間的にも体力的にも負担が大きくなりがち。特に高齢になると、移動そのものが難しくなることもあります。無理なく供養を続けられる環境を整えるためにも、墓じまいは現実的な選択肢のひとつです。
お墓に対する価値観の変化と供養方法の多様化
近年、お墓に対する価値観が変わってきています。「先祖代々のお墓を家族で守っていくもの」という従来の考え方だけではなく、今の家族の暮らし方や考え方に合った供養を選びたいという意識も広がっています。お墓を維持するには管理料などの費用もかかるため、子や孫に経済的・精神的な負担を残したくないと考える方も増えています。
このような意識の変化に伴い、承継者を必要としない永代供養付きのお墓や、管理の負担を抑えやすい樹木葬、室内納骨堂なども選ばれるようになりました。
価値観の変化と供養方法の多様化が、墓じまいを前向きに検討する後押しになっています。
墓じまいの流れ|7つのステップで解説

墓じまいは、親族への相談や改葬先の検討、行政手続きなどを進めていく必要があります。ここでは、墓じまいの基本的な流れを7つのステップで解説します。
1. 家族・親族へ相談する
墓じまいを進める前に、家族や親族へ相談しましょう。お墓は家族や一族全体にかかわる問題です。親族の同意を得ないまま進めると、反対や行き違いが起こりやすくなります。墓じまいを考えた理由や今後の供養先の希望、費用負担の考え方などを早めに共有しておきましょう。
2. 寺・霊園へ連絡する
親族の間での合意が得られたら、現在のお墓がある寺院や霊園の管理者へ連絡し、墓じまいの意思を伝えます。後のトラブルを防ぐためにも、墓じまいに至った事情や理由は丁寧に説明しましょう。特に寺院墓地では、離檀や閉眼供養について相談が必要になる場合もあります。あわせて、管理者に埋蔵証明書(埋葬証明書)の発行を依頼します。
3. 新しい納骨先を決める
墓じまいと並行して、遺骨の新しい納骨先を決めます。遺骨を現在のお墓から別の場所に移すには、改葬の手続きが必要です。受け入れ先を確保したうえで進めることが大切です。主な選択肢としては、樹木葬・室内納骨堂・一般墓などがあります。それぞれ費用や管理の方法が異なるため、家族の状況や希望に合わせて検討しましょう。
新しい納骨先と契約が完了したら、管理者に受入証明書を発行してもらいます。受入証明書は、改葬許可申請に必要な書類です。
4. 改葬許可申請を行う
新しい納骨先が決まったら、改葬許可申請を進めます。改葬は、遺骨を今あるお墓から別の場所へ移すために必要な行政手続きです。申請先は現在のお墓がある市区町村で、埋蔵証明書(埋葬証明書)や受入証明書などの書類が求められるのが一般的です。手続きの流れは自治体によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
改葬許可申請については、以下の記事を参考にしてください。
改葬許可証とは?取得方法や必要書類、申請の流れと注意点まで解説
5. 閉眼供養を行う
墓石の撤去や遺骨の取り出しの前には、閉眼供養を行うのが一般的です。閉眼供養とは、お墓に宿る故人の魂を抜く儀礼のことです。「魂抜き」とも呼ばれます。宗派や寺院によって考え方や進め方が異なるため、日程やお布施の目安も含めて、あらかじめ寺院へ相談しておくとよいでしょう。
6. 遺骨を取り出し、墓石を撤去する
閉眼供養が終わったら、遺骨を取り出し、墓石の解体・撤去を進めます。基本的には墓石だけでなく、お墓の基礎部分も解体し、更地に戻してから墓地管理者に返還します。撤去工事は石材店などに依頼するのが一般的です。霊園や墓地によっては、指定石材店の利用が求められることもあるため、費用とあわせて事前に確認しておきましょう。
7. 新しい納骨先へ納骨する
遺骨の取り出しと墓石の撤去が終わったら、新しい納骨先へ遺骨を納めます。新しい納骨先が墓石型の場合は、納骨の際に僧侶へ依頼して開眼供養(魂入れ)を行うことがあります。納骨時には、霊園やお寺の管理者に改葬許可証を提出します。納骨の流れや必要書類は納骨先によって異なる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
墓じまいにかかる費用の相場と内訳

墓じまいにかかる費用は、お墓の撤去費用だけでなく、行政手続きや新しい納骨先の費用、場合によっては離檀料まで含めて考える必要があります。総額は30万円〜200万円程度といわれていますが、選ぶ改葬先やお墓の条件によって大きく変わります。まずは、どのような費用がかかるのか、主な内訳を確認していきましょう。
お墓の撤去にかかる費用
墓じまいの費用の中でも、大きな割合を占めやすいのがお墓の撤去にかかる費用です。墓地の広さや重機が入れるかどうかによっても変わりますが、1㎡あたり20万円~かかるといわれています。
また、寺院墓地の場合は離檀料が発生することもあります。離檀料に法的な定めはありませんが、一般的には数万円〜数十万円程度です。撤去工事は複数の石材店から見積もりを取り、比較したうえで依頼先を決めることをおすすめします。
行政手続きにかかる費用
改葬許可申請などの行政手続きにかかる費用は、数百円〜数千円程度が一般的です。改葬許可申請には、埋蔵証明書(埋葬証明書)や受入証明書などの書類が必要です。埋葬されている人数分の書類作成が必要になることもあり、古い記録の確認や複数の役所とのやり取りに手間がかかる場合もあります。
自治体によって必要書類や手続きの流れは異なります。現在のお墓がある市区町村に事前に確認しておくとよいでしょう。手続きに不安がある場合は、専門業者に相談したり、代行を依頼したりする方法もあります。
新しい納骨先の費用
新しい納骨先をどこにするかによって、費用は大きく変わります。鎌倉新書の調査では、平均購入金額は一般墓が152.0万円、納骨堂が81.5万円、樹木葬が71.7万円でした。
一般墓に比べると、樹木葬や室内納骨堂は費用を抑えやすい傾向があります。供養先によっては、購入時の費用だけでなく、管理料や維持費がかかる場合もあるため、金額だけでなく、お参りのしやすさや管理のしやすさも含めて比較することが大切です。
出典:鎌倉新書「【第17回】お墓の消費者全国実態調査(2026年)」
墓じまい後の供養先と選び方
墓じまい後の供養先としては、従来のように継承者が代々管理する一般墓のほか、永代供養付きの樹木葬や室内納骨堂などがあります。メモワールでは、墓じまい後の新たな納骨先として、宮城県内の樹木葬や仙台市中心部の室内納骨堂についても相談できます。
ここからは、墓じまい後の供養先として選ばれている一般墓・樹木葬・室内納骨堂について見ていきましょう。
一般墓

一般墓とは、墓石を建てて家族で代々受け継いでいく、従来型のお墓です。お墓参りの形としてなじみがあり、親族にとっても受け入れやすい一方で、継承者の確保や管理費の負担が必要になります。
近年は、一般墓の形式を残しながら、将来は寺院や霊園が供養を引き継ぐ「永代供養付き一般墓」も選ばれるようになっています。従来の墓石のお墓にお参りしたい気持ちを大切にしつつ、将来の継承不安を減らしやすい点が特徴です。
墓じまい後の供養先として一般墓を選ぶ場合は、代々受け継ぐ前提なのか、将来的に永代供養へ移行できる仕組みがあるのかまで確認しておくことが大切です。家族の希望や将来の管理負担をふまえ、無理のない形を選びましょう。
樹木葬

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や草花を墓標とする供養方法です。自然に囲まれた環境で眠りたいと考える方に選ばれており、近年は墓じまい後の新しい供養先としても注目されています。
継承者を必要としない永代供養付きのプランも多く、管理の負担を抑えやすい点が特徴です。家族で入れる個別区画型や合祀型、一定期間後に合祀される型など、埋葬方法に違いがあるため、契約内容を確認して選ぶことが大切です。
メモワールでは、宮城県内に複数の樹木葬霊園があり、四季の花木を感じながらお参りできる環境が整えられています。年間管理費が不要な共同型もあるため、将来の管理負担を抑えたい方にも向いています。
樹木葬について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
室内納骨堂

室内納骨堂とは、骨壺に納めた遺骨を、屋内の専用施設で安置・収蔵する供養の方法です。天候に左右されずお参りしやすく、交通の便がよい場所にある施設も多いため、無理なく通いやすい供養先として選ばれています。
継承者を前提としない永代供養付きのプランも多く、一定期間は個別に安置し、その後に合祀される仕組みが一般的です。設備や管理方法、参拝のしやすさは施設によって異なるため、立地や費用、契約内容を比較しながら検討するとよいでしょう。
メモワール仙台五橋は、仙台駅から車で約5分、徒歩約12分というアクセスのよい立地が魅力です。年間管理費がかからず、一定期間後に永代供養へ移行する仕組みなので、後継者の心配を減らしたい方や、墓じまい後の通いやすさ・快適さを重視して供養先を選びたい方におすすめです。
室内納骨堂について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
墓じまいでよくあるトラブルと対策
墓じまいは手続き以上に親族や寺院とのやり取り、納骨先の選定などで悩むこともあります。ここでは、墓じまいでよくあるトラブルと、その対策を整理します。
親族・家族間のトラブル
墓じまいで多いのが、親族や家族の間で意見がまとまらないケースです。特に、先祖代々のお墓を整理することに抵抗を感じる親族がいると、「勝手に決めないでほしい」と反対されることがあります。費用の負担や、墓じまい後の供養先をどうするかでも意見が分かれやすいポイントです。
墓じまいを考えた理由や今後の方針を、できるだけ早い段階で共有することが大切です。結論だけを伝えるのではなく「なぜ今のままでは難しいのか」「今後はどう供養していきたいのか」を丁寧に説明すると、理解を得やすくなります。
寺院とのトラブル
寺院墓地にお墓がある場合は、寺院とのやり取りで悩むこともあります。墓じまいに至った事情が十分に伝わっていないと、離檀の話がしづらくなったり、閉眼供養や離檀料について不安を感じたりすることがあるかもしれません。長くお世話になってきた寺院ほど、相談の切り出し方に迷う方も多いでしょう。
後の行き違いを防ぐためには、墓じまいを決めた事情や家族の状況を率直に説明し、早めに相談することが大切です。離檀料や閉眼供養のお布施についても、あいまいなまま進めず、事前に確認しておくと安心です。気になることがあれば一人で抱え込まず、専門業者に相談しながら進める方法もあります。
納骨先や手続きのトラブル
新しい納骨先が決まらなかったり、改葬許可申請に必要な書類がそろわなかったりして、予定どおりに進まないこともあります。受入証明書や埋蔵証明書(埋葬証明書)などは、取得先や書類名がわかりにくいこともあり、初めて墓じまいをする方にとっては負担になりがちかもしれません。
こうしたトラブルを防ぐには、先に新しい納骨先を決め、必要書類を確認してから手続きを進めることが大切です。納骨先の契約内容や、いつ合祀されるのかといった点もあわせて確認しておきましょう。手続きが複雑に感じる場合は、サポートを受けながら進めると安心です。
墓じまいとは、供養の形を見直す選択肢

墓じまいとは、家族の暮らしにあわせて供養の形を見直すための選択肢です。進める際は、親族や寺院と事前に丁寧に話し合うことで、トラブルを防ぎやすくなります。一人で抱え込まず、まずは家族への相談から始めてみてください。
メモワールでは、墓じまいのご相談を承っています。役所への手続き代行や閉眼供養の手配に加え、墓じまい後の改葬先として樹木葬や室内納骨堂のご案内も可能です。宮城県周辺でお悩みの方は、無料相談・資料請求をご利用ください。
